「学ばない人」は取り残される〜成長し続けるための大人の新学習法〜

先が見えないこの時代に、将来のために「学び直し」をはじめる人がとても増えています。私自身も2021年より、学び直しをはじめた1人です。

目次

これからの「大人の学び」

私たちの世代は、今までに経験してきた学び方とは大きく異なっています。それは、「若い時期の一定期間に学んだ後は、特に学び直しをすることなく、そのままずっと仕事を続ける」という以前のモデルが変わってきているためです。これからの時代は、仕事を続けながらも「学び続ける」ということが求められる時代になってきたのです。

人生100年時代の到来

学び続けることが必要になった理由の1つは「人生100年時代の到来」です。

人生100年時代をむかえるにあたり、60歳でリタイアと言う人生プランを描くことは難しくなってきました。そして、年金制度の期間延長や社会保障への不安などから、年齢を重ねたときのお金と仕事の不安を感じる人がとても増えてきたことも原因だと言えます。

例え、難関資格を持っていたとしても、その資格だけで一生食べていくことが難しくなってきたこともあり、自分自身の成長を止めずに、時代の変化に対応していく必要が出てきたのです。

学びの格差

もう1つの理由は「学びの格差」の問題です。

ここ数年、インターネットやスマートフォンなど(情報通信技術)の進化で、学びの環境は飛躍的に変わりました。こうした環境の変化の中で、学ぶ人と学ばない人との格差は、決定的に広がっていくでしょう。しかし、ここで注意しなければならないことは、学びが好きなだけの「プロ生徒」になっていないか?と言うことです。

「学ぶことが趣味な人」になっていませんか?

2022年11月11日配信の「voicy」でも少し取り上げましたが、学ぶことや資格を取ることが目的になってしまうと、それを活かすことができず次々と学び続けるだけ・・ということになります

リスナーの皆様の中にも、日頃から本を読んだり、講座などに通って学んでいる人が多いと思いますが、一生懸命に学んでいるにもかかわらず、仕事に役立てられない、活かすことができていない場合、このような人は実際には多いと思いますが、それは、学ぶこと自体が目的化してしまい、何のために学ぶのかという本来の目的を忘れてしまっているからだと言えます。

このような学び方にならないように、私たちはこれまでの勉強法を変えて、新しい学び方を身に付けなければなりません。

ラ―ニングピラミッド 

私たちが20代の頃に経験した今までの学び方は、「暗記を主体とした勉強方法」でした。

しかしこのように、知識のインプットに頼る方法では、なかなかそれをいかすことがで着ないため、これからは、インプットするだけではなく、アウトプットを通して、知識を深めていくことがポイントとなります。

皆さんは「ラーニングピラミッド」をご存知でしょうか?これは、「アメリカ国立訓練研究所」が発表した研究結果で、7つの学習方法を学習の定着率順に並べたものです。

ラーニングピラミッドで挙げられている学習方法を具体的に言うと、講義を受ける、読書をする、動画や音声で学ぶ、実演を見る、グループで討論する、自ら体験する、他人に教えるという7段階に分かれます

出典:The Learning Pyramid.アメリカNational Training Laboratories.

ここで、それぞれの定着率をみていきましょう。

① 講義を受ける(定着率5%)

学校の授業やセミナーなどに出席して話を聞いているだけでは、授業内容のほとんどを忘れてしまいます。意欲的にノートを取ったり予習・復習などが必要になります。

② 読書(定着率10%)

ただ講義に出るだけより能動的な行動ですが、本を読んでいるだけではなかなか覚えられないことがほとんどです。

③動画・音声(定着率20%)

動画・音声は脳にインパクトを与えるため、本を読んでいるだけよりも身につきやすくなります。

④実演を見る (定着率30%)

実験を見る、見学に行くなどがあります。

⑤グループで討論する(定着率50%)

ディスカッションや、ディベートなど、グループワークを通して、正しい知識の修得だけでなく、正解のない課題を通して、問題解決へのアプローチ方法を身につけていくことができます。これらは「他者の発言」を聞くことから、新しい知識を得ると言うメリットもあります

⑥自ら体験する(定着率75%)

実際に自分の手や体を動かすこと、現場で調査や研究を行うこと、フィールドワークなどもこの段階になります。

⑦ 他人に教えること(定着率90%)

「人に教える」ためには、自分でしっかりと内容を理解していなければなりません。実際にワシントン大学で行われた実験の中で、「後で人に教えるという前提で学んだグループ」と、「何も前提としないグループ」とを比べたとき、後で人に教えるというグループの成績がよくなったいうものがあります

何かを覚えたり、理解したりするときは、そのことを後から誰かに教えるつもりで取りかかることで、学習効果が上がるということがわかります。

SNS発信も定着率を高めます

インプットした内容を他人に教えること以外に「SNSを使って発信する」ということも定着率を高める1つです。これは、実際にやってみるとその効果を実感できます。

頭の中で理解をしていても、それを言葉にしてみたり、文章に書き換えてまとめてみると、自分の中で抜け落ちている部分や、もっと具体的に知りたい部分が明確になってきます。そして、実際に発信をしながらまたそれを学ぶことで、知識の定着率が上がっていくのです。

最初はなかなか発信できないという方の場合は、発信するつもりでパソコンに打ち込んでみる、ペンネームを使う等でアウトプットをしてみることもおすすめです。

年齢を重ねても働き続ける未来へ

これから先の未来は、年齢を重ねても働き続ける人がたくさん増える社会になります。その中で、自分がどんな仕事に就くのか、どんな働き方をしていくのかは、自分自身がどれだけの強みを持っているのか、それを活かせるのか、ということがポイントになっていくことでしょう。

時代の変化が激しい現在、現在仕事をしている人も、育児等で一時的に仕事を休んでいる人も、自分の人生を見つめ直し、学び直しを通して、次のステージに向かう準備を整えておくことが必要になっていくでしょう。大人の学び直しは、特に珍しいということではなく、これからの当たり前になっていくのではないかと思います。

voicy「学ばない人」は取り残される【成長し続けるための大人の新学習法】

Voicy「日経Xwomanで自分磨き金曜(学び)パーソナリティ
2022年11月25日放送「学ばない人」は取り残される【成長し続けるための大人の新学習法】(桜井香)

「Voicy」はこちらから聴けます😊

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この記事を書いた人

桜井香(KAORI SAKURAI)
Life Redesign代表/ライフキャリアコーチ/日経Xwomanアンバサダー/Voicy「日経Xwomanで自分磨き」金曜パーソナリティ/2023年「日経Xwomanアンバサダー「Voicy賞」受賞

2017年起業。人生を変えたい、自分の資格や強みを活かして働きたい、さらにステージアップをしたいという女性を中心に、長期講座の講師やコンサルティング業を通して約700名をサポート。プライベートでは夫と14歳の長男との3人家族。2021年秋から20年数年ぶりに社会人大学生となり、2023年9月に目標とおり2年間で卒業。
現在は、より充実した人生を送りたい、自分らしく生きていきたい、働き方を変えたいなど様々な女性の悩みに向き合う活動と両立しながら、大学院進学を目指して勉強を進めている。

「桜井香/音声Program(無料プレゼント)」

音声レッスン73分&ワーク24ページ

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