人生100年時代の新しい「学び」
人生100年時代と呼ばれるようになり「学び直し」をする人がとても多くなりました。年齢を重ねても、新しいことを学びたい、新しいことに挑戦したいという人が増えていく中で、「学び」についてはどうしても「インプット」の方だけが重要視される傾向にあります。
しかし学びというのは、知識や情報をどんどんプラスしていくことだけでなく、そのプロセスの中で、実際にはインプット以上に大切なものがあります。それが「アンラーン」です。
「アンラーン」を身につける
「アンラーン」とは、学びの否定ではなく、これまで学んだ知識や技術を振り返り、さらなる学びや成長につながる形に整理しなおすプロセスのことを言います。今回は、この「アンラーン」を実践するために、わかりやすい「アンラーンのループ」をご紹介します。
アンラーンのループ

アンラーンではまず、今までの思考の癖やパターンを取り除くことから始めていきます。つまり「余計なものを手放すこと」です
人は慣れ親しんだものや、習慣化したものを手放すことに抵抗を感じやすいものですが、既存のものを一旦捨てなければ、新しいものを生み出すことはなかなかできません。そのためまずは、思考の癖やパターンを捨て、新しいことを習慣にさせていく必要があります。
すると、時間が経つにつれ、だんだんとその新しい癖やパターンにも慣れていき、それがまた、環境に合わなくなってきたことに気づく時期がやってきますそのようになったら再び、アンラーンをして、その癖やパターンの枠を外すというということを繰り返していきます。
このように一連の流れを、ループのように繰り返すことで、この先、環境がどのように変化して行ったとしても、対応できる柔軟性を持ち続けることができるのです。
「Unlearn」本との出会い
今回、この記事を選んだのは、先日、日経Xwomanアンバサダーミーティングの中で行われた、書籍プレゼント大会がきっかけです。その中でいただいた本が、この「アンラーン」という本でした。

この本を編集されているのは「ベストセラー100冊シリーズ」も担当されている宮本紗織さんです。今回、日経Xwomanアンバサダーミーティングの会場にいらっしゃったので、一緒に写真を撮っていただきました。
この本のサブタイトルは「人生100年時代の新しい学び」。
今、学び直しをしている私にとっても、この本をいただけたことがものすごく嬉しくて、夢中になって読んでしまいました。
あれもこれもとインプットを繰り返してしまったり、今までに身についた価値観にとらわれてしまったりしてしまい新しい可能性に蓋をしてしまうことって誰にでもあると思うのですが、この本を読むことで、既存の価値観や思い込みを思い切り外して、新しい時代を生きよう!という気持ちが、さらに強くなった気がします。
著者「柳川範之教授」の独学力
そして、この本の著者である柳川範之教授の「独学力」に驚かされたので、こちらでもご紹介させていただきたいと思います。
柳川範之教授
お父様のお仕事の都合でブラジルにいたため、独学で高校の勉強をした後、シンガポールで慶應大学の通信過程を卒業され、その後、東京大学大学院経済学研究科博士課程を修了されています。
世間では「通信教育課程を卒業したことに対して「ルートから反れている」と捉える人も多いため、そのことにデメリットを感じることはないか?」というインタビューを受けていらっしゃる記事を読みました。
そこで、柳川教授は、「デメリットは全くなく、むしろメリットになった部分のほうが大きいかもしれません。どこの大学入試を突破したか」が重要なんだと思っている人は、社会での評価が気になるのかもしれませんが、社会も変わってきていますし、むしろ“通信教育で”卒業したことを評価してくれる人も増えてきていると感じています」とおっしゃっていました。
そして、通信制の大学の中でも慶應大学の通信課程は卒業率がとても低く、卒業するのが難しいと言われています。そのことに関しても、柳川教授はこう答えています。
「はっきりいって、卒業は相当難しいですから、それを勉強してクリアしてきている人の能力は高いと思います。そして、これから通信教育で学ぼうとする人に伝えたいのは、「大卒」という肩書きを単純に得るだけではなく、その過程でどんなことを身につけたいかを考えてほしいということ。身につけた学びこそが、はるかに重要な時代になっていくと思います」とおっしゃっていました。
私自身も現在、通信制大学の4年に在学していますが、これからさらに、学び直しの1つの選択肢として選ぶ人が増えていくのではないかと感じています。
Voicy「日経Xwomanで自分磨き」
Voicy「日経Xwomanで自分磨き」金曜(学び)
2022年12月2日放送
『学びの質を高める【アンラーン】が私たちに必要な理由』〜慶應通信から東大教授へ〜(桜井香)

「Voicy」はこちらから聴けます😊
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