隠し続けていた経歴と葛藤
桜井香です。
2022年に、継続的にサポートさせていただいていたクライアントさんが、専業主婦からモデルになった。三人のお子さんを育てる彼女が合格した事務所は、有名な人気モデルも所属する大手事務所である。
彼女が事務所に合格したことにより、今までずっと隠し続けていた自分自身の経歴を、ほんの少しではあるが出すようになった。それは、周りの方々の後押しが大きかったことと、「出しても良いと思うよ」という声をたくさんいただいたからだった。

外見や年齢で判断される世界で身についたもの
それまではずっと「隠し通したい」「言うことが恥ずかしい」という思いが強く、経歴を言わずに「専業主婦から起業」という感じで過ごしていた。
20代の頃、モデルとして事務所に所属し、本業として活動していた期間は7年間。
他の仕事をしなくても良いくらいに収入は得ていたので、本当であれば表に出しても良いのかもしれないが、その7年間で得たものは、たくさんの経験と共に、美しい人を見すぎてしまったがゆえの葛藤だった。
オーディションはもちろん、外見だけでなく、その仕事にふさわしい人が選ばれる。でも、モデルにはある意味、レベルがあって、どんなに頑張っても届かないものがあるということも知った。
それは、言い方を変えてしまえば「格付け」とも言えるもので、世界のショーモデル、雑誌の専属モデルなどは、私から見れば、ものすごくレベルの高いモデルだからだ。

内面を磨くことで努力が報われる世界
もちろんモデルの仕事には、たくさんの種類がある。みんながみんな、パリコレレベルというわけでもなく、みんながみんな、雑誌の専属モデルのレベルなわけでもない。
仕事のジャンルはたくさんあって、自分がどの分野に強いのかは、所属してしばらくするとわかってくる。
そして、勉強のように、これを学べば必ずその道に行けるというものではないため、生まれ持ったものが大きい世界でもある。そんな世界にいた私は、いつしか自分の限界値を知ることになり、「勉強をすることで自分の強みを身につけたい」というように考えるようになっていった。
20代後半に、難関国家資格を受けたことも、今こうして、学びに時間をかけていることも、この頃の思いが消えていないからなのかもしれないと感じた。私はきっと、努力をすれば報われる世界、頑張れば結果が出る世界、そういった世界に行きたかったのだと思う。

実際の経験に勝るものはない
いろいろなことを知らない方が人は大胆になれる。その世界を知りすぎてしまうことで、場合によっては自信をなくしてしまうこともある。
でも、その経験がどんなものであったとしても、頭であれこれと考えているよりも、はるかに実りのあるものだと私は思う。
私がこれから目指す道は、その道を長く進んだ人から見ると、まだ知らないからこそ進める、無我夢中に近い勢いなのかもしれない。でも、どんな結果になったとしても、心の奥から「やりたい」と思う道に進む経験は、人生を豊かにしてくれるのだと感じている。

決して失われない知識という財産
年齢を重ねていけば、どんな人でも、外見の変化は訪れる。
年齢が若い方がいいという空気が世の中にある中で、歳を重ねることに抵抗をしてしまう女性も、実際にはとても多いが、知識というものは失われない財産だと気づいた。
どんなに頑張っても、どんなに願っても、年齢を重ねるということには逆らえない。逆らえないものに対して抵抗をするよりも、それに縛られないものを身につけていく方が、きっと人生は充実するのだろうと思う。
この先どうなるのかなんて誰もわからない。わからないからこそ、自分で動いて経験を積むことが重要だと気づいた。
人生は永遠ではない。年齢を重ねていく中で、自分が後悔しない道を進むためにも、頭で考えているだけではなく、行動をすること。新しい知識を得て、内面を磨いていく人こそが、年齢を重ねても充実した毎日を過ごせるのだと思う。

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