充分な生活をしているのに、いつも満たされていない人は多いものです。
なぜ人は、衣食住が足りていて、毎日の生活ができていたとしても、満たされない日々を送ってしまうのでしょうか?
満たされない気持ちと枯渇感
あなたにとって「幸せ」とはなんでしょうか?
充分すぎるほどに欲しいものを買えることでしょうか?
それとも、
使いきれないほどの「お金」を
持っていることでしょうか?
現実には、
どれほどたくさんのお金を持っていたとしても、
満たされない人は満たされず、
自分のことを不幸だと感じています。
一方で、
質素な生活をしながら、
高級な物を何一つ持っていなかったとしても、
心が満たされている人もいます。
その差はどこから来るのでしょうか?
そしてお金や物を追い求めることが、
どうして枯渇感に繋がってしまうのでしょうか?
今あるものに満足できない気持ち
今までにセッションを通じて、
様々なお客さまの悩みと向き合ってきました。
その中で、
今の現状を変えたい・・
このままの人生では悔いが残ってしまう・・
今の生活では満足できない・・
という人の多くが、
充分な生活環境を送っている人でした。
会社で働く人、
自分の仕事を持っている人、
専業主婦の人、
環境は人それぞれでしたが、
共通していたのは「今に満足できていない」という状況でした。
例えば、
専業主婦のAさんは、
充分な生活費があり、
大手企業に勤める優しい旦那様とお子さまに恵まれ、
毎日の生活も必要なものも、
全て揃っている。
でも、
なぜか満たされていない。
表情は暗く、
マイナスな言葉が多く出てきました。
客観的に見ていると、
なぜそれに不満を感じているのかは
わからないくらいなのですが、
話を聞いてみると、
ご主人の仕事やお子さまの学校等を
周りと比べていることがわかりました。
足りないものだけが見える心理
実際には、
ご主人にしても、
お子さんにしても、
自分の所有物ではありません。
そして、
その人についている肩書きは、
本当の幸せを見えないものにしています。
彼女には、
満たされた現実は見えておらず、
足りない部分しか見えていなかったのです。

人は高い目標を持つことで
生きがいを感じることができます。
そのため、
大きな目標を立てて、
そこに向かってこそ人生だという生き方があることも事実です。
しかし、
その目標を達成するには、
「今に満たされる」ことが大事であり、
それがあってはじめて、
そこから夢を叶えることができるのです。
人の欲には制限がない
世の中には様々は誘惑物があります。
外に出れば欲しいものが溢れ、
見れば見るほど、
あれもこれも欲しくなってしまうのは
仕方がないことかもしれません。
しかし、
気をつけなくてはいけないのは、
人の欲には制限がないということです。
買いたい物を全て買い、
行きたい場所に全て行けて、
やりたいことが全て叶えられるほどの
お金が手に入ったとしたら、
果たして幸せになれるのでしょうか?
きっと全てやり切る前に、
飽きてしまったり、
物だけに限らず、
また次に欲しいものが出てくるでしょう。
目の前にあるものは当たり前ではない
ではいったいどうしたら、
必要以上の欲に振り回されずに
満たされることができるのでしょうか?
それは、
『今当たり前だと思っているものがなくなったとしたらどうなるのか?』
を考えてみることです。
水道、ガス、電気などの
ライフラインもそうですし、
スーパーでいつでも買えると思っている食料。
そして日用品。
そして、
目の前にいる人たち。
いつも当たり前に存在していると思っているものが
当たり前ではないと気づいた時、
今ある現実に感謝できるようになります。
必要以上に欲しがったり、
何を手にしても満たされない場合、
人生は枯渇感と不安感を感じ続けることになります。
今あるものに感謝をして
それに満たされることが
まずは一番大切なことなのです。
周りと比較するのをやめる
周りの人や
SNSでの充実さを見ていると、
自分はダメだ・・と感じる人は多いです。
SNSはその一部を切り取ったものですし、
それが全て真実とは限りません。
そして、
周りの人と比べることに関しても、
その人の環境、配偶者、持ち物、
仕事や肩書きなど、
比べれば比べるほど疲弊していくことになります。
もっと良くなりたい、
人生を変えたい、
もっと仕事を充実させたいなど、
目標を持つことは良いことです。
しかしながら、
その土台には、
今あるものへの感謝がなければならないのです。
足るを知る
日本にある「足るを知る」という言葉に学ぶことは多いです。
この「足るを知る」のモデルは自然界にあると言います。
いまもっているもので足りる心がなかったら、さらに欲しいと思っているものを手に入れたところで、けっして満足できないはずです。これ以上経済的な富のみを追い求めるのはやめるべきです。国や個人の目標を物質的な豊かさだけに求めるのではなく、今後はどうすればみんなが豊かに暮らしていけるかという方向を模索すべきです。
稲盛和夫:「生き方」より
必要以上に求めずぎることなく、
(これは何も行動せずに諦めるということではありません)
今ある現実に満足し、
それに満たされてこそ、
大きな夢や目標が現実になるのです。
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